2021年の白キャン宣伝大使の企画の時に投稿したものを編集したものです。
モノクロームは私が推しの小野寺梓に惚れた曲である。
真っ白なキャンバスと小野寺梓に初めて出会ったのは2018年2月3日の恵比寿CreAto。当時の私は自身の生活環境や推していたグループの解散などが相次いでおり、熱量の低下もあって、この日見にいったライブを区切りとしてヲタクは最後にするつもりであった。
そんな私の運命を変えたのが
「神様…ねえ教えてよ、僕だけいじわるだって」
小野寺梓の歌うこのフレーズだった。
当日の対バンに出演していたグループの中で真っ白なキャンバスだけ見たことも聞いたこともないグループ。そんな状況であったため、お目当てのグループの登場前に手洗いに行こうかと考えていた。
そんな私の足を止めたのはSEの音。洗練された美しいサウンドに少し曲を聞いてみようかという気持ちが芽生えた。
しかしながら、その一方でリーダーの立花悠子を以外は俯き、ちょっとダークなオーラを纏わせながら入場してきた様子を見て「このグループ大丈夫か?」と思ったのも事実であるのは私の心の中だけにとどめておこう。
だが、曲が始まるとそんなイメージは一変する。アイデンティティ、SHOUTとその音楽、そして粗削りながらも情熱が伝わるパフォーマンスに目が釘付けになる。
立花悠子の華やかな笑顔、麦田ひかるのキレキレのダンス、そして鈴木えまの味わい深いキュートな仕草。私は物の数分前まで知らなかった真っ白なキャンバスというグループが気になりだした。
この時点で後に私の推しとなる小野寺梓についてはパフォーマンスはまとまっていたものの、それほど興味を惹かれる存在ではなかった。
そんな中、私はモノクロームとの出会いを果たすこととなる。穏やかな鍵盤から始まる序盤、そのサウンドの巧みさにすでに白キャンのファンになりかけていた私の心は完全に持っていかれた。
胸の高鳴りに呼応するかのように徐々に高まるビート。そして心にため込んだものを一気に放つように小野寺梓が”あの”フレーズを歌う。
「きゃーみーさぁああまぁあ、ねーえぇえ教えてよ」
・・・これでもかと言うくらいに外しまくった音階、しかしながら感情をむき出しのまま放出する彼女に、胸が締め付けられる思いがした。
今思えば、この瞬間に私は小野寺梓に心を奪われたのだと言える。
彼女を擁護する訳ではないのだが、モノクロームは旋律の美しさに、思春期の繊細な心と儚い強さを綴った歌詞が相まった白キャン珠玉の一曲。
それだけに歌うのが非常に難しい曲でもあり、少し失礼な言い方ではあるのだが発展途上のメンバーでは歌唱力が追い付いていなかったというのが正直なところ。
当時の彼女の実力ではたどり着くことの出来なかった領域。それでも現状の全力で懸命に歌い上げる姿を私はとても美しく思った。
強い印象を残したライブであったものの、この日は別の目的があったため、小野寺梓のチェキを撮りにはいかなかった。
自分のヲタクとしてのラストは綺麗に終わった・・・筈だったのだが、偶然に偶然が重なり、その翌日も白キャンのライブを見る機会を得ることとなった。
2回目の白キャンを見たとき、最初に自分がこのグループに感じた直感は間違っていなかったことを再確認する。とてつもなく、曲が良い。
そして、聞いた時から私の心を捉えて離さなかったモノクローム。
小野寺梓が私のお気に入りの”あの”フレーズを歌う。
「きゃーみーさぁああまぁあ、ねーえぇえ教えてよ」
昨日はたまたま音程を外したのではなかったようだ。。。でも自分の実力を超えてもなお、それ以上のものを表現しようとする彼女に完全に惚れた瞬間であった。
その日は事情があり小野寺梓との初接触はその翌週に繰り越すこととなるのだが、最初に会ったときに「箱推しです」と述べたのに、「梓推しだよね、梓推しって書いとくから!」と半ば強引にTシャツに書かれ、彼女を推しメンとして名乗る新たなヲタク人生を歩むこととなる。
そんな彼女も今ではその歌唱力でも一目置かれるアイドルへと成長を遂げた。あの日のモノクロームにはもう出会うことはできないけれど、小野寺梓は今日も私の心を捉えて離さないでいる。