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◇ Palette Parade 1周年ライブ『ファンファーレ』

◇Palette Parade

2022年9月3日にPalette Parade1周年ライブ『ファンファーレ』が渋谷WWWにて開催された。

会場に入るとこれまでのライブやイベント関連の写真が掲示されており、これまでのメンバーの足跡に気持ちが高まってくる演出はファンの心をつかむ。

開場時間となり、ひとりまたひとりとファンがフロアへと足を運ぶ。学生と思しき若者や仕事を終えたサラリーマンなどファンの様態も多種多様。

可愛く、明るく楽しいグループイメージを持ちながらも、その一方で心の奥底に訴えかけてくる楽曲の数々。

そして何よりもひとつの妥協もなく、愚直間までに、こちらが目を逸らすことが出来ないくらいまっすぐに全てをぶつけてくる彼女たちの生き様は幅広い世代に共感を呼ぶのは自然の摂理のように思えた。

刻一刻と開演時間が迫る。楽しみな気持ちと、それとは裏腹に言葉にならない少しの不安を感じてしまうのは結成まもないグループを応援するファンならではのものだろうか。

それともこれまで多くのアイドルを見てきて、酸いも甘いも知り尽くした私の過去の記憶が邪魔をするのだろうか。

会場が暗転するとステージに設けられたモニターにメンバーの自己紹介画像が映し出される。笑顔いっぱいで楽しそうな姿でメンバー各々の魅力を次々と繰り出してくる。

映像が終わるとスポットライトが点灯し、新衣装に身を包んだメンバーが浮かび上がる。

そしてクラップに合わせてミュージックがスタート。1曲目は『スタートライン』。ライブの始まりに文句のない選曲だ。

白川千尋が「皆さんこんにちは。パレットパレードです。ファンファーレ盛り上がっていきましょう」と元気いっぱいに告げると、会場のテンションも彼女に呼応して高まりを見せる。

ほのかな緊張を浮かべながらも、楽しそうな白川の笑顔で私がライブの前に抱えていた不安は杞憂であったことを知る。そう、頑張る彼女たちに何の心配などする必要もなかった事を。

パレパレのにこにこヒロイン白川千尋。不器用でドジっ子な面を見せながらも、グループを強く想い。ここ一番の場面では熱い言葉を語る、頼れる最年少メンバー。

どんな時でも誰かのために在り続けようとする彼女の笑顔はパレパレの象徴であると共に、いつだって未来を切り拓くのだ。そして僕たちに一歩を踏み出す勇気を与えてくれるのだ。

2曲目は『明日のわたしは主人公』
パレパレらしい明るさのある楽曲で1曲目の勢いをさらに加速させていく。

3曲目の『心羽根模様』では見せ場となるソロダンスを森月音羽が決めると、会場のファンは一段と大きなうねりを見せた。

森月音羽は自らの行っていることを表立って言うことはしない。だが、毎回ライブの後にセトリを掲載したり、グループの予定表を自作したりなど、地道な取り組みをデビューからずっと続けている。

派手なアピールはない、だけどみんな彼女の頑張りを知っている。だからこそ、ライブでの森月の姿にファンは心動かされ、惜しみない歓声を送るのだ。

3曲目を終えるとこの日最初のMCに入り、本日のライブを迎えての印象、そして初めて黒を基調とされた新衣装について紹介する。

4曲目は『スプラッシュアンカー』。
曲が始まる前に葵うたが「始まりましたファンファーレ最高の景色見る準備できてるか」と煽りを入れ、会場は一瞬でMC前の熱をとり戻す。ノリにノリまくったパレパレの勢いは止まらない。

5曲目は『可愛くなる』
比嘉ゆめのと葵うたが背中合わせとなり低音のビートが響く。対バンで披露されることは少ないのだが、良い意味でパレパレの楽曲の中で異色さを放つ
本曲はパレパレの引き出しの多さを感じさせてくれる。

『可愛くなる』が終わるとステージは暗転し、この日のスペシャル演出としてソロダンスパートが始まる。音楽もこのためにオリジナルのものが作成されたという本気ぶり。

メンバーが1人ずつ登場し、ダイナミックなダンスで魅了する。デビューから一年を経て、それぞれのメンバーが一人でステージを成り立たせることが出来るようになった成長の証を噛みしめる。

その中でも私が特筆しておきたいのが中野小陽だ。彼女はパレパレに加入するまでダンスの経験がなく、またお世辞にも運動神経に優れているとは言い難い面がある。

デビュー当時の映像では全力で頑張ってはいるものの、慣れないダンスに苦心している中野の様子を確認することが出来る。

中野のお嬢様的なキャラクター、そして美貌をもってすればグループの中でダンスが出来ないキャラクターとしても許容される余地はあったように個人的には思う。

だが、中野はそれを良しとはしなかった。時にはメンバーの助力を得ながら、ひとつひとつ果てのない道を進み続けたのだ。

人間、苦手なことを克服するためには、得意な事を行うよりも何倍もの努力がいる。そういった意味でこの一年間、最もスキルアップを果たしたのは彼女かもしれない。

そんな中野がこの日見せたソロダンスはとても美しく思えた。

ソロダンスパートの後の6曲目は『シャイガール』
終盤に登場することが多いパレパレ一番のキラーチューンの誰しもが予想しなかった序盤での登場。ライブはより加速し、風雲急を告げる。

シャイガールは2022年2月26日の「パレちゃレ! FINAL」にて初披露された楽曲である。公開直後から大きな反響を呼び、この半年でパレパレの代表曲と言えるまでに成長した。

アイドルとは因果な職業である。どれだけ悲しくても、ステージに立てばいつでも笑っていなくてはならない。どれだけ苦しくて逃げだしたくても、ファンの前では大丈夫と言わなくてはならない。

美貌に優れ、才能に秀で、また真っ白なキャンバスの妹分としてデビューするという環境にも恵まれ、一見すると彼女たちには何の悩みなどひとつも無いかのように思える。しかしそれはアイドルとして生きる決意の上に見せる姿であること。そして人知れずどれほどの涙を流したのかを私は想わずにはいられない。

アイドルとして見せることはない葛藤、それをステージの上で披露する『シャイガール』という楽曲。降りしきる影すらも抱えて一歩を踏み出す、そんな彼女たちのありのままの弱さも、強さも、その総てが放つ輝きにに私はどうしようもなく惹かれてしまうのだ。

MCを挟んでの7曲目は『PARADE』。記念すべきパレパレの1stシングル。この夏を共に駆け抜けた思い出が走馬灯のように流れていく。

8曲目は真っ白なキャンバスの『空色パズルピース』を比嘉ゆめのと葵うたのパレパレの誇る歌姫の二人がカバー。

本曲はオーディションの課題曲のひとつであったという。披露に際しては主として比嘉が三浦菜々子のパートを、葵が主として小野寺梓のパートをカバーしていた。

パフォーマンスの系統を考慮すると、個人的には比嘉が小野寺パート、葵が三浦パートをカバーすると思っていたのが、あえて逆。そのことで楽曲の違った一面が引き出され、新たな魅力を放ったたのは興味深いところだ。

また、これまで一度もカバーされたことのなかった白キャンの曲があえて1周年のワンマンという大事な舞台で披露されたのは、先をいく先輩への憧れからの決別を意味していたのかもしれない。

折り重なる二人のロングトーンは新たな可能性を予感させるには十分すぎるものであった。

9曲目は合格発表前夜の心情が描かれた楽曲『Life is Dramatic』。現在から過去までが一つに織り成すこのセトリ構成にはただただ唸らされた。

緋本はぐみは深淵を見つめるかのように静かに前を向き、だがひとつの揺ぎも無く、今の瞬間を刻み付けるかのようにその歌声を響かせる。

パレパレの楽曲において緋本の歌割は多いほうではないのだが、それでも1曲1曲において強烈な印象を残す緋本。それは彼女の唯一無二の個性の現れであると共に、グループ全体を見つめ導く観察眼がもたらすものであろう。

それは、単に明るく楽しいだけではない複層的なパレパレの魅力を構成する要素のひとつでもあるのだ。

MCを挟んでの10曲目は『起きて笑おう果報者』。これまでの流れとは一変しさらにギアを上げる。いよいよラストスパートだ。

比嘉ゆめのが気合の入ったロングトーンを繰り出し、白川千尋と葵うたが会場にウェーブを巻き起こす。疲れなど知らぬかのような彼女たちの全力のパフォーマンスに会場のファンも負けじと呼応する。

11曲目は『フレフレ』。頑張る人への応援歌である本曲はパレパレというグループのテーマソングのよう。

パレパレはメンバーのルックスレベルの高さも相まって、王道のキラキラの楽しいアイドルであるとうイメージを抱かれていることが多い。しかし、一度ライブを見た者は、楽しくも”熱い”グループだとイメージを変化させる。

そこには葵うたのもたらす存在が大きいように私は思う。普段はおちゃらける3枚目キャラであるものの、ライブは真剣そのもの。会場がどこであっても、目の前にファンが居れば彼女はそのすべての力を出し尽くす。

アイドルの歌詞にしては強すぎるフレフレの「死ぬ勇気も生きる勇気もなく迷い続けた」というフレーズも葵が歌うからこそ説得力を帯びる。彼女の歌には確かな魂が籠っているのだ。

ラストとなる12曲目は『わたしトレイン』。ライブの最後を飾るのはやはりパレパレの始まりのこの曲しかない。

メンバーの比嘉ゆめのはこの曲が一番好きであると事あることに語っている。それは最初で最後の挑戦として受けたオーディション。憧れのアイドルとなって初めて与えられた楽曲であることも大きいのかもしれない。

幼き頃からアイドルに憧れた彼女が掴んだアイドルという夢。デビューしてからの比嘉はそれはゴールではなくスタートなのだということをその背中で語ってきた。

丁寧になぞられたメロディー、楽曲の世界観への理解度、ステージでのパフォーマンスを崩すことなく観客を射貫くレスの嵐。アイドルとは何なのかをこれでもかというくらいに研究しつくした比嘉が一年間でグループのエースと言えるほどの人気を獲得したのには理由がある。

そんな彼女はラストのロングトーンを今日も高らかに歌い上げる。情熱を込めて、丁寧に、そしてありったけの感謝を込めて。そんな彼女の運命を私はいつまでも追いかけていたいと思う。

ライブの終了後にはサプライズで映像が流れ、昨年実施されたパレちゃレ!の続編の開催が発表された。

激動の一年を乗り越えたパレパレのメンバー。勝負の2年目はどのような未来を見せてくれるのだろうか。物語のファンファーレはまだまだ始まったばかりだ。

メンバーコメント

葵うた
今日は本当に来てくれてありございます。今日楽しかったひとー?(客席に挙手を求める)私もめっちゃ楽しかったです。これから2年目始まりますが、これからもみんなともっと楽しいことがしたいです。よろしくお願いします

中野小陽
まずはこんなに沢山の人に一周年をお祝いしてもらえて本当に本当に嬉しいです。ありがとうございます。この一年、嬉しいこともあったんですけど辛いことも沢山あって、今、こうやってみんなとこの景色を見られてアイドルやってて良かったなと心から思えたし、まだまだ未熟な部分も沢山あるんですけど、頑張っていくのでこれからもついてきてくれたら嬉しいです。これからもパレパレよろしくお願いします。(言い終えると感極まり、後ろを向いて涙を流し、横にいる森月音羽と白川千尋がねぎらう)

緋本はぐみ
改めまして本日はお越しいただきありがとうございます。私、すごいメンバーに物知りと言ってもらうことが多いのですが、物知りというよりも飽き性で何やっても続かないから色々な知識が半端に積み上げられた言った結果の物知りなので、自分が一年間ひとつのことを続けることが出来たことに自分で少しびっくりしています。全部、メンバーやスタッフさん、そして皆さんのおかげだと思っています。本当にありがとうございます。2年目もよろしくお願いします。

森月音羽
今日来てくれてありがとうございます。私もここまで来れると思っていなかったので本当に嬉しいです、2年目も皆さんついてきてください。いつもありがとうございます。

比嘉ゆめの
今日は来ていただきありがとうございます。私はデビューライブの事をずっと思い出していて、その時よりも知っている顔が増えたし、ひとりひとりの顔が本当に良く見えて、こうやって沢山の人と目が合うことが出来るのも普通じゃないなと思うし、すごく幸せだなと思います。これからもこんな私・・・私たちですがずっと一緒に見守って一緒に進んでくれると嬉しいです。よろしくお願いします。

白川千尋
本当になんか1周年なんだ~と、何も考えていなかったのですが、最後に『わたしトレイン』したときにみんなが手を挙げてくれた時とか、なんか、なんか一年いろいろあったけれども、めっちゃ楽しかったなと思います。これからのパレパレも、もっともっと沢山の人と楽しいことをやって最高の景色をみんなと一緒に見れたら良いなと思います。2年目もこれから先も、パレパレをよろしくお願いします。

Palette Parade1周年ライブ『ファンファーレ』セットリスト

1.スタートライン
2.明日のわたしは主人公
3.心羽根模様
MC1
4.スプラッシュアンカー
5.可愛くなる
オリジナルダンスパート
6.シャイガール
MC2
7.PARADE
8.空色パズルピース/真っ白なキャンバスカバー(比嘉ゆめの、葵うた)
9.Life is Dramatic
MC3
10.起きて笑おう果報者
11.フレフレ
12.わたしトレイン

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